1 外テーパの定義と基本概念

外テーパは、部品の外周面に形成された円すい台(または円すい近似)状の形状で、特定の軸方向に沿って外径が一定方向へ拡大または縮小するテーパ形態を指す。外径側が変化するため、外観上は円すい体の一部に見え、組付け時のすり合わせ・当たり形成・案内機能に直接関与する。

テーパ角やテーパ比(勾配)といった指標によって傾きが定まり、加工・測定・許容差設定の基準にもなる。さらに、締結や位置決めにおいては、軸心と接触面の関係が安定しやすい点が利点として扱われる。設計段階では、必要な案内量、許容されるガタ量、密着や荷重伝達の要求を踏まえて形状を決める。

1.1 外テーパの特徴(外径側で形状が変化する)

外テーパの本質的な特徴は、部品外周の径が軸方向に対して連続的に変化することである。これにより、相手側の内周形状または受け座に対して、接触が端部から段階的に進行しやすい。接触の入り方が安定すると、組付け時の位置決めや、組み込み荷重の推移が設計上予測しやすくなる。

また、外径が変化するため、端部径と有効長の組合せで寸法関係が決まる。したがって、外テーパは「テーパ角」「端部径差」「有効長」といった要素の制御対象として整理されるのが一般的である。

1.2 用語と表し方

外テーパは、図面仕様書で角度・比・寸法の関係として表される。実務では、加工方法や測定器の仕様に合わせて、最も扱いやすい表記を採用することが多い。代表的には角度(テーパ角)と勾配(テーパ比)で整理される。

さらに、端部径や有効長を併記することで、実寸からテーパ量を復元できる形になり、現場の判断が容易になる。用語の取り違えは検査結果の解釈にも影響し得るため、図面の指示体系を一貫して理解することが重要である。

1.2.1 テーパ角と勾配

テーパ角は、軸に対する母線の傾きとして定義され、部品の軸方向と外周面のなす角で表される。勾配は、径の変化量と軸方向長さの関係(傾きの度合い)で表現され、角度とは換算関係にある。

設計上は、テーパ角を指定することで形状の幾何学的整合が明確になる。一方で、現場の見積りや段取りでは、勾配や径差を用いると寸法検討がしやすい場合がある。どちらを採用しても最終的に同一の幾何条件へ結び付くため、換算のルールを把握することが実務の要点になる。

1.2.2 テーパ比と換算の考え方

テーパ比(勾配)は、単位長さ当たりの径変化(あるいは半径変化)として扱われることがある。換算の際は、径基準か半径基準か、方向の取り方(拡大側を正とする等)を図面の表記規約に合わせる必要がある。

例えば、端部径差と有効長が与えられれば、勾配を計算してテーパ角へ換算できる。逆に角度が与えられれば、軸長と合わせて端部径差を算出できる。実務では、換算時の基準面(端部の開始位置、測定の有効長)を誤ると、許容差内に収まらない原因になるため注意が要る。

1.3 内テーパとの対比

内テーパは、部品の内周面側で径が軸方向に拡大または縮小する形状である。外テーパは外周側で同様の傾きが形成される点が対になる概念であり、組付けでは両者が組み合わさることで相対的な案内・接触進行が決まる。

設計の観点では、外テーパは相手の受け部へ入っていく側として挙動が語られやすい一方、内テーパは相手側を受け入れる側として接触条件が語られやすい。いずれにせよ、位置決め性や密着性は相手形状との組合せ、そして両者の誤差の重なりで決まるため、「外か内か」だけで良否は判断できない。

2 設計における役割と選定指針

外テーパは、位置決め、案内、締結時の自己中心化、密着の形成など、複数の機能を同時に担う。形状は単なる意匠ではなく、組付けの挙動に影響する幾何学的な制御手段として扱う必要がある。設計では要求機能を起点に、テーパ角、長さ、端部の仕上げ状態、相手側クリアランスを体系的に決める。

選定では、組付け時の作業性(挿入力や噛み込みのしにくさ)と、使用中の幾何維持(ズレ抑制や荷重伝達)を両立させる。結果として、外テーパの寸法誤差や表面品質が、機能を左右する設計パラメータとして位置づく。

2.1 並進・回転の位置決め機能

外テーパは、円滑な挿入により軸心合わせを促し、部品の並進方向と回転方向の位置決めに寄与する。接触が円周方向に均されると、相手側との相対位置が安定し、初期組付け時点での中心ずれを抑えやすい。

位置決めは、テーパ角だけでなく、接触長さ、表面状態、相手側の形状偏差の影響も受ける。設計上は「どの程度の中心合わせ精度が必要か」を先に定義し、その達成に必要な形状条件を逆算する考え方が適している。

2.1.1 自己中心化の原理

自己中心化とは、挿入が進むにつれて相対的なずれが縮小し、中心が整っていく傾向を指す。外テーパが相手受け部へ入ると、片当たりが生じた場合でも、形状に沿った接触位置の変化によって当たりが広がり、結果として軸心が近づく方向に働きやすい。

この作用は、摩擦条件と接触面の幾何が適切な範囲にあるときに強まりやすい。一方、表面の粗さが大きすぎる、あるいは形状誤差が大きく一点接触になりすぎると、自己整合の効果が弱まる。したがって自己中心化を前提にする場合、加工精度と表面品質の両方を設計変数として扱う必要がある。

2.2 嵌合・締結における効果

外テーパは、嵌合の成否や締結の安定性に関与する。特に締結時は、単なるはめ合い以上に、テーパ面が荷重を介して相手側へ伝達するため、接触状態が機能を決める。

設計では、クリアランスの取り方(滑りやすさ)と、締結時に確保したい接触圧のバランスを定める。さらに、繰返し組付けの有無や、部品の温度変化、摩耗を考慮し、長期安定性も見込む。

2.2.1 すべり嵌合と干渉嵌合の考え方

すべり嵌合は、組付け時に相手との幾何が比較的自由に滑り、挿入が容易な範囲に収める考え方である。外テーパでは、端部からの接触開始が適切であれば、締結前の位置決めが円滑になりやすい。

干渉嵌合は、組付け時にわずかな干渉を前提として、塑性変形または弾性変形を利用して確実な拘束を得ようとする。外テーパにおいて干渉側の条件を強めると、接触圧が上がり締結の保持力は増し得るが、加工誤差や表面状態の影響も受けやすくなる。したがって、要求する保持力と、組付けの再現性、作業許容をもとに選択する。

2.3 密着性・面圧分布の影響

外テーパでは、接触が進むにつれて接触長さや接触面の分布が変わる。密着性は、どれだけの面積で接触しているか、またその圧力が偏っていないかで評価されることが多い。面圧が偏れば、特定部位の摩耗や微小なズレが生じやすくなる。

設計では、接触圧を増やしすぎると摩耗や焼付きリスクが上がるため、適正範囲を狙う必要がある。さらに、締結条件(締付力、潤滑の有無、表面仕上げ)との相互作用を考え、理想的な面圧分布に近づける工夫を盛り込む。

2.3.1 接触長さと荷重の関係

接触長さは、テーパ角と有効長、そして挿入量・締付状態で決まる。一般に接触が長くなれば、同じ荷重でも平均面圧は下がりやすいが、接触面の初期状態や形状偏差により実際の分布は変わる。

荷重を上げると接触域は拡大し得るが、同時に表面粗さの影響や微細な食い込みも増える。したがって「荷重を増やせば必ず良い」わけではない。設計では、要求する拘束力・耐振性を満たしつつ、接触状態の過負荷を避ける観点で接触長さと締付条件を整合させる。

2.4 許容差設計の基本

外テーパの許容差設計では、寸法の幾何学的条件(テーパ角、端部径差、有効長)と、形状誤差(円筒度やうねりに関連する偏差)の双方を整理する必要がある。外テーパは自己中心化を期待できる一方、誤差が大きいと一点当たりになって性能が落ちる。

許容差は、加工能力と検査可能性、そして機能要求から設定する。過剰に厳しい規格はコストを押し上げるため、必要な機能を達成する最小限の管理項目として設計する考え方が実務的である。

2.4.1 テーパ形状誤差と組付けへの影響

テーパ形状誤差は、相手との接触条件を変えてしまう。具体的には、実際の傾きが指定から外れることで、相手側の受け部に対する当たり開始位置や接触長さがずれ、結果として締結の再現性が低下する。

また、直進方向の誤差が絡むと、軸心の一致が期待より進まず、ガタ増加や偏摩耗に繋がる場合がある。したがって許容差設計では、テーパ角のばらつきだけでなく、軸方向の整列や母線の真直性といった要素も含めて評価することが望ましい。

2.4.2 真円度・円筒度と複合する誤差

外テーパは円すい台であるため、母線の傾きに加えて円周方向の形状誤差も接触状態に影響する。真円度や円筒度の偏差があると、接触が部分的になり、面圧分布が偏りやすくなる。

さらに、テーパと円筒状の領域が混在する設計では、誤差の累積が組付け挙動として現れることがある。許容差の設計では、個別誤差の管理値を独立に設定するだけでなく、機能を損なう組合せを想定して総合的にバランスを取る必要がある。

3 加工方法と製造プロセス

外テーパの製造は、切削・研削・研磨、または成形系の手法を目的に応じて選ぶ。加工方法の選定は、必要な精度、表面粗さ、量産性、材料特性(硬さ、熱処理後の変形)によって変わる。

一般に切削は粗加工から仕上げまで幅広く対応しやすいが、最終精度が厳しい場合は研削や研磨で仕上げることが多い。工程設計では、前工程の誤差が後工程に持ち越されるため、段階ごとの狙い寸法と測定タイミングが重要になる。

3.1 旋削による外テーパ加工

旋削は、外テーパ加工で基本となる手法の一つである。テーパ角に対応した刃物進路を与えることで、所定の傾き形状を得る。被削材の材質や工作機械の能力に応じて、仕上げ仕方を調整する。

工程では、ブランクの状態、中心合わせの精度、刃先の摩耗管理などが仕上がりへ影響する。旋削では、切削条件の最適化により表面粗さと寸法の両立を図りやすいのが利点である。

3.1.1 テーパの送り・刃物設定

テーパの成形は、送りの与え方(刃物位置の相対移動)や刃物角の設定により実現される。工作機械の機能としてテーパ設定が用意されている場合は、その機構を正しく理解して数値入力することが重要である。

また、刃先形状や逃げ角は仕上げ面に影響するため、素材硬さや要求表面粗さを踏まえて選定する。切込み深さや送り量の選択は、仕上げ精度と加工時間の折り合いを決める要素になる。設定の誤りはテーパ角のずれとして現れやすく、早期の寸法確認が有効である。

3.1.2 仕上げ工程と表面性状

旋削の仕上げは、仕上げ切削回数と切削条件の調整で実現される。表面性状は粗さだけでなく、微細なうねりや切削痕の方向性にも関わる。外テーパは接触面として使われることがあるため、表面状態は摩擦や当たり形成に直結する。

仕上げは、半断続加工からの移行や、刃先交換のタイミングで品質が変動する。したがって、量産では刃先管理と検査頻度を設計し、ばらつきの原因が加工中に増幅しないようにする。

3.2 円すい研削・研磨による外テーパ仕上げ

研削や研磨は、旋削で得た形状の誤差を縮め、表面粗さを改善する仕上げ手段として利用される。特に寸法・形状の要求が厳しい部品では、最終仕上げに研削系を採用することが多い。

研削は材料を削り取るため、熱や目づまりなどの影響が出る可能性がある。対策として、条件の見直し、砥石選定、冷却の適正化などが行われる。研磨はさらに微細な仕上げを狙い、接触面の状態を整える用途で用いられる。

3.2.1 研削条件の影響

研削条件は、切込み、送り、砥石回転、工作物速度、冷却方法などの組合せで決まる。条件が不適切だと、形状誤差の増大や表面のむら、さらには残留応力の偏りにつながる場合がある。

また、砥石のドレッシング状態や摩耗も、テーパ面の仕上がりへ影響する。結果として、テーパ角の実現精度や表面粗さが安定しなくなるため、管理項目として砥石状態を含めることが望ましい。

3.3 フライス・成形・特殊加工の位置づけ

外テーパは旋削や研削が中心となるが、形状要件や生産方式によっては他の加工も採用される。フライスは形状を切削で作り込む際に有効であり、複雑な形状との複合加工にも向くことがある。

成形系や特殊加工は、素材や要求量に応じて検討される。たとえば、治具部品の大量製造では工程短縮の観点から特殊な段取りが採用されることがある。いずれの場合も、寸法精度と表面の当たり性を、後工程の補正でどこまで取り戻せるかを見極めることが重要になる。

3.3.1 治具を用いた加工手法

治具は、外テーパの基準位置を安定させ、加工再現性を高めるために用いられる。特に段取り替えが多い現場では、中心位置のばらつきや軸の芯ずれが性能へ波及するため、治具の役割は大きい。

また、テーパ面の仕上げを安定させる目的で、ワークの保持方法や基準面の指定が工夫されることがある。治具の精度が加工精度を左右する場合があるため、治具自体の点検も工程管理の対象として扱うのが一般的である。

4 測定・検査と品質管理

外テーパの品質管理では、角度・寸法・形状誤差・表面性状を段階的に確認する。重要なのは、測定した値を設計意図(組付け挙動)へ結び付けることである。検査項目の設定は、機能要求と加工能力に応じて現実的な範囲で決める。

また、測定は治具やゲージの当て方にも影響される。測定前の清掃、ワークの姿勢、基準面の合わせ方を標準化し、検査の再現性を確保することが品質の前提になる。

4.1 テーパの測定方法

テーパ測定は、円すい形状に特化したゲージ法と、寸法から換算する方法の組合せで行われることが多い。前者は現場での迅速性があり、後者は設計との対応が取りやすい。

測定方法の選択は、必要精度、測定対象の大きさ、量産か単品かで変わる。いずれにせよ、測定結果の解釈に関して基準位置(有効長の取り方)を一致させることが重要である。

4.1.1 円すいゲージによる確認

円すいゲージは、テーパ角や当たり状態を確認する目的で用いられる。ゲージとワークの当たり具合から、規格適合の判断を行うことがある。

この方法は、測定の手数が比較的少なく、傾きの大きなズレを早期に検出しやすい。ただし、ゲージの摩耗や当て圧、清掃状態により結果が変動するため、運用手順を標準化する必要がある。

4.1.2 寸法測定(端部径と有効長)

端部径と有効長を測ることで、テーパ量やテーパ角に相当する指標へ換算できる。一般的には、軸方向に沿った基準位置を揃え、端部径を適切な測定面で計測する。

有効長の定義が曖昧だと換算結果がズレるため、図面で指定された有効長領域を測定器で確実に反映させる。測定値は幾何条件だけでなく、真円度や円筒度の偏差の影響も受ける可能性があるため、必要に応じて補助検査を併用する。

4.2 形状誤差の評価項目

外テーパでは、傾きのばらつきに加え、面のうねりや表面欠陥のような現象が品質に影響する。形状誤差は、接触の安定性を損ない、組付けのばらつきとして現れる場合があるため、評価項目は機能に直結させる。

検査では「どの誤差がどの不具合に結び付くか」を意識し、目的に沿った指標を選ぶことが望ましい。過度に網羅的にしすぎると工程が重くなるため、優先順位を付けて設計する。

4.2.1 テーパ度のばらつき

テーパ度は、指定テーパ角(または換算値)に対する実測値の偏差として捉えられる。ばらつきが大きいと、組付け時の挿入量や当たり開始位置が製品ごとに変わり、再現性が低下する。

ばらつき要因は、工作機械の追従性、刃先状態、ワーク位置決め、熱変形などに分解できる。検査では、ロット内の分布を把握し、工程調整の根拠として活用することが重要である。

4.2.2 うねり・う蝕(表面欠陥)に相当する概念

外テーパの表面は接触面として働くことがあるため、微細なうねりや表面欠陥の存在が問題になり得る。ここでいう「う蝕」は一般に表面の荒れや局所的な欠陥に相当する現象として扱われ、対応する検査指標は粗さや外観、触診・画像検査などに結び付く。

これらの欠陥は摩擦係数のばらつきや、初期当たりの偏りを招きやすい。したがって、表面粗さだけでなく欠陥の有無や分布を確認する設計が有効になる場合がある。

4.3 許容基準と検査手順の例

許容基準は、設計要求から逆算して設定される。例えば、接触長さを一定以上確保したい場合は、テーパ角誤差や端部径差の許容範囲を狭めることがある。また、摺動や締結の繰返しを想定する場合は、粗さや欠陥指標の上限を設ける。

検査手順は、まず外観と基本寸法を確認し、次にテーパ角(あるいは換算値)を測定する流れが一般的である。最終的には、形状誤差や表面状態をサンプル検査で追加し、工程の健全性を維持する。手順の統一により、測定者間の差や治具差を抑えられる。

5 用途例と具体的な適用場面

外テーパは多様な機械要素で利用される。特に、軸端や位置決め治具のように、中心合わせと作業性が同時に求められる場面で適性が高い。用途により要求される精度や許容差の厳しさが変わる。

ここでは代表的な適用例を整理する。実際の設計では、相手側との組合せ(内テーパとの関係、受け座の形状、締結方法)まで含めて評価する必要がある。

5.1 シャフト・軸端の位置決め部

シャフトや軸端に外テーパを設けると、相手部品への導入時に軸心を整えやすい。回転部の中心が安定すると、振動や偏摩耗の抑制につながることがある。

また、組付け時のガイドとしても機能し、初期の位置合わせを容易にする。要求される再現性が高い場合は、テーパ角の管理と表面の仕上げを強化する設計が採られる。

5.2 治具・治具座の円すい部

治具や治具座に外テーパ(または相手機能としての円すい面)を設けると、部品の搭載位置が安定しやすい。段取り替えを繰り返す工程では、毎回同じ当たり状態が得られることが生産品質の基盤になる。

治具分野では、加工・検査の簡便性も重視される。外テーパはゲージで確認しやすく、現場の品質管理に組み込みやすい点が利点として扱われる場合がある。

5.3 金型・段取り部品への応用

金型や周辺の段取り部品では、位置決めの再現性が生産効率と品質に直結する。外テーパを段取り部品に採用すると、組付け時の中心合わせを補助し、作業のばらつきを抑えやすい。

また、相手側の受け面が設計通りに当たることで、繰返し使用による位置の変動が小さくなり得る。金型用途では、温度変化や摩耗も影響するため、表面処理やメンテナンス計画とセットで考えることが多い。

6 よくある不具合と対策

外テーパは便利な反面、誤差や表面状態の影響を受けやすい。典型的な不具合は、形状のずれ、表面粗さの不適合、組付け時のガタや噛み込みなどである。これらは設計・加工・検査のどこかで発生源を特定し、工程へフィードバックすることが重要になる。

対策は単一ではなく、寸法管理、加工条件、治具運用、検査頻度の見直しを組み合わせるのが一般的である。ここでは代表例を整理する。

6.1 テーパ不良(テーパ角・直進誤差)

テーパ不良は、テーパ角のズレや軸方向の直進誤差として現れる。原因としては刃先設定の誤り、送り制御の不整合、ワークの位置決め不良、チャックの芯ずれなどが考えられる。

対策としては、初回の段取り確認(試加工と測定)、刃先やワーク基準の再点検、加工中の熱影響の抑制が挙げられる。さらに、検査ではテーパ角だけでなく当たり状態の確認も含めると、見逃しを減らせる。

6.2 表面粗さ不適合と影響

表面粗さが要求範囲から外れると、摩擦や初期当たりの形成が不安定になる。粗すぎる場合は噛み込みや摩耗の増加につながり、逆に滑らかすぎる場合でも条件によっては十分な保持が得られないことがある。

対策は、切削条件や仕上げ回数、研削条件の最適化である。さらに、潤滑や洗浄工程(異物付着の除去)を管理し、表面の実使用条件に近い状態で品質を評価することが効果的である。

6.3 組付け不良(ガタ・噛み込み)

組付け不良は、ガタ(遊び)や噛み込み(想定より早い干渉、または導入不能)として表れることがある。ガタは形状誤差やクリアランス設計の不整合、締付力不足などが要因になる場合がある。噛み込みは、端部の当たり開始が不適切、面粗さや欠陥による局所干渉などが関係し得る。

対策としては、テーパ角と相手側の嵌合条件の見直し、端部の仕上げ(面取りやバリ管理を含む)の徹底、組付け手順(挿入方法、締付手順)の標準化が挙げられる。工程条件の改善は、組付け実績のデータと結び付けて判断することが望ましい。

6.4 対策の設計・工程フィードバック

対策は、設計値に対する実測値の差分を解析し、根本原因を工程へ戻す形で行う。例えばテーパ角のばらつきが大きい場合、加工条件、刃先状態、治具精度、測定手順のいずれに起因するかを切り分ける。

フィードバックでは、単発の修正で終わらせず、再発防止として管理項目と検査頻度を調整する。さらに、変更履歴を管理し、次回ロットで同様の偏差が起きないことを確認することで、品質の安定化に繋がる。

7 外テーパに関する計算と実務ツール

外テーパの設計では、寸法からテーパ量を求める計算が頻繁に行われる。計算の目的は、必要な接触条件、組付けの見込み、許容変動の見積りを行うことにある。加えて、図面指示を現場の加工・検査に落とし込むための実務ツールとしての意味も持つ。

計算は簡潔であっても、基準位置の定義、端部径の測定面、換算時の基準(半径か径か)を誤らないことが重要である。

7.1 基本寸法からテーパ量を求める

テーパ量は、端部径差と有効長から算出するのが基本である。外テーパでは、軸方向に沿った径変化が幾何的に一意に定まるため、必要な指標へ変換しやすい。

計算では、どの区間が有効長に該当するかを先に決め、端部径の定義を合わせる。これにより、角度や勾配への換算がブレなく行える。

7.1.1 有効長と端部径差の計算

有効長が与えられ、端部径の上端と下端の差が分かれば、平均的な傾きに相当する値が求まる。外テーパは直線母線で近似できることが多いため、径差と長さの関係から勾配が算出できる。

その後、図面がテーパ角で指定されている場合には、換算して角度を得る。換算式は基準(径基準か半径基準か)により結果が変わるため、仕様書の定義に従って計算することが実務上の必須条件である。

7.2 指定公差から許容変動を見積もる

指定公差から許容変動を見積もる際は、単に各寸法の独立誤差を足し合わせるだけでは不十分な場合がある。外テーパでは、テーパ角誤差や端部径差誤差が組付け時の接触状態へ影響するため、機能に関係する指標へ変換して考えることが有効である。

実務では、許容変動を「最大の機能低下ケース」として見積もり、組付け条件が成立するかを確認する。必要に応じて安全側の判断を設け、設計変更や工程条件の改善につなげる。

7.3 図面指示の実務ポイント

図面指示では、テーパ角、端部径、測定基準、許容差の付け方を明確にする。特に測定基準の取り方は、測定結果の比較可能性を左右するため、図面での定義が必須になる。

また、表面粗さや欠陥に関する要求がテーパ面に関連する場合は、その適用範囲も明記する。現場の加工と検査が一致した意図で運用されるほど、不適合の発生確率は下がる。

8 関連する概念(周辺形状・派生形状)

外テーパは単独で存在するより、面取りや段付き、二段構造などと組み合わされて機能が調整されることが多い。関連概念を理解することで、設計意図をより正確に伝達できる。

また、派生形状は加工方法や検査の難しさが変わり得る。したがって、類似形状との違いを整理し、選定の判断材料にすることが役に立つ。

8.1 ステップテーパ・二段テーパ

ステップテーパや二段テーパは、テーパが途中で切り替わる構造であり、案内と拘束の両方を狙って使われることがある。例えば、初期導入を容易にする緩いテーパと、最終的にしっかり当てる急なテーパを組み合わせるなどの設計が行われる。

このような構造では、接触開始位置と接触長さの変化が複雑になるため、寸法公差の考え方も工夫が必要になる。検査では各段の幾何条件を分けて管理する設計が多い。

8.2 ランプ・面取りとの違い

ランプや面取りは、角部の連続性を高める目的で用いられることが多く、導入性や欠け防止に寄与する。外テーパは母線の傾きが軸方向の径変化として設計され、位置決めや密着に関わる点で、目的と効果の中心が異なる。

面取りは必ずしも円すい台の幾何条件を定めないことがあり、管理指標もテーパ角ではなく面取り寸法として扱われる場合が多い。したがって、自己中心化や締結安定性を狙う場合は、テーパとしての幾何制御が必要になることがある。

8.3 テーパ付き座金・座面形状との関係

テーパ付き座金や座面形状では、荷重伝達の面積形成や締結状態の安定化にテーパの効果が利用される。座面に傾斜があると、締付時の接触域が移動し、荷重のかかり方が変わり得る。

外テーパ単体の設計よりも、座金側と締結部側の相互作用が重要になる。設計では、接触圧の偏りや、回り止めの必要性を含めて評価し、要求される保持力と寿命に結び付けることが望ましい。