概要

Perplexity AI は、2022年8月に設立されたアメリカの人工知能企業で、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く。大規模言語モデルを活用した対話型検索エンジンを開発し、自然言語の質問に対して出典付きの要約回答を直接返すことで、従来のリンク一覧型検索の代替を目指している。OpenAI・Meta・Databricks の出身者らが共同で創業し、主力製品は2022年12月、ChatGPT の公開から1週間後に公開された。

会社概要

創業の背景

2022年秋、カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得した後 OpenAI に勤めていた Aravind Srinivas が、Denis Yarats、Johnny Ho、Andy Konwinski とともに会社を立ち上げた。「Perplexity(パープレキシティ)」という社名は、言語モデルが次の予測にどれだけ確信を持てないかを測る機械学習の用語に由来し、情報を探す人の不確実性を減らしたいという思想を表している。法人としては2022年8月に正式に設立された。

本社とチーム

本社はサンフランシスコにある。4人の共同創業者の経歴は互いに補完的で、Aravind Srinivas(CEO)は OpenAI・Google Brain・DeepMind でAI研究に従事し、Denis Yarats(CTO)は Meta AI に在籍し、Johnny Ho(CSO)は Quora のエンジニアと高頻度トレード企業 Tower Research Capital の勤務経験を持ち、Andy Konwinski は Databricks の共同創業者である。

製品とサービス

Perplexity AI 検索エンジン

製品の形態

中核製品は対話型検索エンジンである。ユーザーが自然言語で質問すると、システムはウェブ上の情報源を取得し、リンクのランキング一覧ではなく出典付きの要約を合成して返す。ウェブ版、モバイルアプリ、ブラウザ拡張機能で利用できる。

出典と引用の仕組み

回答内の主要な主張にはそれぞれ番号付きの引用が付き、元のウェブページへ遷移して確認できる。同社は PerplexityBot と呼ばれるクローラも運用しており、公式には検索インデックス構築と引用のために使われ、基盤モデルの学習には使われないと説明している。

Perplexity Pro サブスクリプション

Perplexity Pro は、最新モデルのより頻繁な利用、より長いコンテキスト、ファイルのアップロード分析などを提供する有料サブスクリプションで、同社の主要な収益源の一つである。

Comet ブラウザ

2025年には Comet と呼ばれるAIブラウザを公開し、Perplexity の検索・質問応答機能をサイドバーに直接組み込んだ。ユーザーの代わりにアシスタントがウェブを閲覧・操作するエージェント型の体験を前面に打ち出している。

ビジネスモデル

サブスクリプション収入

収入は主に Perplexity Pro など有料プランの課金利用者から得られる。年換算収益は2024年初頭で約5,000万ドルと報じられ、2026年までに約5億ドル規模へ拡大したと伝えられている。

広告とパートナーシップ

サブスクリプションに加え、「スポンサー付きのフォローアップ質問」のようなブランド広告を試験的に導入し、生成型検索とコンテンツ制作側の間で価値を分かち合う出版者とのコンテンツライセンス契約にも取り組んでいる。

技術方針

モデル選択の戦略

Perplexity は自社で基盤モデルを学習していない。GPT、Claude、Llama などのサードパーティ製モデルをAPI経由で呼び出し、その上に検索拡張生成(RAG)パイプラインと製品体験を構築している。この方式により最新モデルへ迅速に追従できる一方、上流のコストと依存リスクを抱える。

リアルタイム検索

回答はリアルタイムのウェブ取得に基づく。複数の情報源を取得・順位付けした上で言語モデルが最終的な回答を合成するため、純粋にパラメータ化されたモデルが持つ知識の時間的制限を緩和している。

展開と論争

資金調達の推移

同社の資金調達は急速なペースで進んだ。2024年1月に約7,400万ドルを約5億2,000万ドルの企業価値で調達し、同年3月には評価額が10億ドルを突破、同年6月にはソフトバンクビジョンファンド2号の出資で30億ドルへ、同年12月には Institutional Venture Partners が主導する5億ドルの調達で90億ドルに達した。2025年には評価額が約200億ドルにまで上昇した。

著作権とコンテンツをめぐる紛争

2024年10月、ニューズ・コーポレーション傘下の Dow Jones と New York Post が、米ニューヨーク南部連邦地方裁判所に Perplexity を訴えた。訴状は、同社が著作権で保護された大量のニュース記事を RAG インデックスに複製して回答生成に使っており、出版者のサイトから読者と広告収入を奪う「大規模なフリーライド」だとしている。2025年8月、裁判所は Perplexity 側の管轄権の欠缺またはカリフォルニア州への移送を求める申立てを棄却し、訴訟はニューヨークで継続した。New York Times や Forbes なども、無断利用や幻覚に起因する誤帰属を公に指摘したことがある。Perplexity 側は、公開されている事実情報に依存していること、侵害を防ぐガードレールが機能していること、さらに提訴前に出版者側が逐語再現を誘導しようとしたと反論している。

商標に関する主張

出版者側はさらに、幻覚によって生成された虚偽の記事段落を実在する新聞名に帰属させた行為は、ランハム法における商標希薄化および原産地の虚偽表示に当たると主張している。

関連項目

  • パープレキシティ
  • 検索拡張生成
  • 大規模言語モデル
  • 対話型検索